自然災害リスク軽減研究センター

精密万能試験機(テーマ2)

設備の概要

 本試験装置は材料試験から部材試験あるいは小型の構造物試験まで多様な試験体に対して加力する万能試験機である.ねじ竿式を採用しているためメンテナンスが容易であるとともに,騒音を抑え安全かつ高精度に加力することが可能となっている.また,高温引張試験を実施できるよう加熱炉および温度制御装置等を備えている.

主要装置構成:

島津オートグラフ AG-100kNIS-400S(幅広)
         (最大荷重100kN,倍率1~100,クロスヘッド速度範囲0.0005~1000mm/min)
高温引張加熱炉 B-7-12(加熱温度300~1100℃)

研究内容例

(1) H形鋼梁柱部材局部座屈実験

 鋼構造物の倒壊挙動を精度良くかつ簡便に評価するために,局部座屈挙動を考慮した梁要素モデルの開発を行っている.本試験装置を利用し,縮小梁柱部材に対する軸力導入3点曲げ試験を実施し,軸力+曲げ(1軸または2軸)加力下におけるH形鋼局部座屈後挙動の分析を行っている.

(2)RCアーチの非線形挙動に対する静的実験

 各種エネルギー関連施設の安全性向上策としての容器構造の半地下化・完全埋設化や,近年の各種モニュメントとなる建築のルーフシェルの大型化に関連し,それらの耐震設計の高度化を目的とする.薄肉で扁平なRCアーチモデルの耐震性能評価の前に,まず静的な損傷・破壊現象を再現し分析し,その結果を用いて数値解析手法の高度化を行う.