自然災害リスク軽減研究センター

三次元地震波震動台(テーマ2)

設備の概要

 本設備はプロジェクトの主要課題を研究するために必要とされる三軸(水平二軸/垂直一軸)方向同時加振が可能な地震波震動台である.駆動方式として永久磁石方式を採用しているため,騒音を抑えるとともに広い周波数帯域(0.1~50Hz)にわたって振動波形の精度が高く,実地震波も忠実に再現することができる.平成24年度には水平一軸方向の加振力を倍増し,より大きな地震力の入力を可能とした.

主要装置構成:

振動加振器(水平) SSV-850LL(1ton載荷時/最大加速度 地震波0.75G, 最大変位±20cm)
振動加振器(垂直) SSV-850MM(最大加速度 地震波0.83G, 最大変位±7.5cm)
地震波振動台   TBH-20K-3D-70T(2×2m, 最大積載7t)
*2012年のプロジェクト初年度の整備にて、水平1方向を0.75G⇒1.5G に増強

研究内容例

(1) RCアーチの非線形挙動に対する動的実験

 各種エネルギー関連施設の安全性向上策としての容器構造の半地下化・完全埋設化や、近年の各種モニュメントとなる建築のルーフシェルの大型化に関連し,それらの耐震設計の高度化を目的とする.薄肉で扁平なRCアーチモデルの動的な損傷・破壊現象を再現し分析し,その結果を用いて数値解析手法の高度化を行う.

(2)建物内部の家具転倒実験と補強法の開発

 近年建築物の耐震性能評価のみならず居室内部の家具の地震時挙動や固定方法が問題となっている.数値解析で得られた建築物地震時応答を本設備に入力することで,地震時の居室の揺れを3次元で再現し,家具の挙動を把握するとともに,効果的な固定方法の開発を行っている.また研究成果を活用し地域住民への啓発活動も行っている.

(3)浮き屋根式円筒液体貯槽の地震時スロッシング実験

 2003年十勝沖地震では大型石油貯槽の浮き屋根がスロッシング(液面動揺)により沈没し、甚大な火災被害が発生した.南海トラフ地震等でも同様の発生が予測されることから、浮き屋根と内部液体との連成を考慮した震動台模型実験を実施し、浮き屋根の損傷・沈没のメカニズムを解明するとともに、浮き屋根の耐震設計法/補強法を提案した.